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by coyabu
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ツィゴイネルワイゼン

イメージの洪水

ツィゴイネルワイゼン
(1980年/日本)
監督:鈴木清順
評価:★★★★★




ストーリー:
放浪癖のある中砂は殺人犯として旅先で警察につかまるが、元同僚の大学教授である青地に助けられる。そこで2人は、芸者・小稲に出会う。一年後、青地は結婚した中砂の家を訪ねるが、結婚相手の園が小稲に瓜二つであることに驚く。しばらくして、園は娘を残して他界するが、代わりに芸者であった小稲を妻とする。

感想:
錯綜する男と女のが紡ぎだす様々な物語が洪水のように流れ出す。大学教授である青地が見た世界が現実なのか幻なのかは誰にもわからない。ところどころに花火のように出てくる、鮮烈なイメージがストーリーの希薄なこの物語に起伏を与える。
登場人物の一人一人が強烈なメッセージを放ちながら話が進み、青地は各人の持つイメージに翻弄される。放浪を重ねる中砂、奇妙な三角関係を保つ盲目の芸人達、どこかエロティックな匂いを漂わす妻と死の淵を彷徨う義妹。そして、不可思議な行動をとる小稲。
そして、錯綜するイメージは映像だけはなく音楽にも及ぶ。タイトルにもなったツィゴイネルワイゼン、旅芸人の歌、小稲の三味線、波の音。錯綜する音と映像により、観客はさらなる迷宮へと誘われる。
by coyabu | 2006-01-09 00:37 | 映画(た行)
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