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by coyabu
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気狂いピエロ

永遠にわかり合えない男と女

PIERROT LE FOU
(1965年/フランス/イタリア)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
評価:★★★★★




ストーリー:
アルフレッド(ジャン・ポール・ベルモンド)とマリアンヌ(アンナ・カリーナ )の逃避行。マリアンヌはアルフレッドを「ピエロ」と呼び、アルフレッドは「おれはアルフレッドだ」と答える。

感想:
ゴダールが映画の表現を一度解体し、再構築しているのが良くわかる作品です。彼の映画に対する考えがストレートに表現されているように思えます。
まず、台詞の再構築が見事です。映画における言葉は、映像が連続的であるため、詩や散文よりもさらに不連続であることを許容します。この映画の特性を最大限に活用しているのを強く感じます。
また、映像については、様々な表現を意欲的に組み合わせているのが良くわかります。静止画、演劇的表現、音楽との組み合わせ、色の効果、炎、文字表現これら映画でしかできない様々な表現手法を貪欲に取り入れる挑戦的な態度と抜群のセンスの良さにより、時代を経ても色あせないのがゴダールの凄さなのでしょう。
あてどなく思索する男をピエロと呼び恋する女、「腰のライン」に恋する男。永遠にわかり合えない男と女の行き先はどこにも無いのでしょう。しかし、現実の男と女もやはり永遠に分かり合えてないところがこの作品を魅力的にしているところだと思います。
by coyabu | 2005-08-17 06:42 | 映画(か行)
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