ティム・バートンの新境地?
BIG FISH
(2003年/アメリカ)
評価:★★★★★
監督:ティム・バートン
ストーリー:
ウィルの父エドワードは社交的で、自分の体験を不思議な話として語り、周囲を楽しい気分にさせる。しかし、ウィルは、ホラ話しかしない父を理解できず、ギクシャクとした関係が続いていた。そんなある日、父の病状が悪化したことを知り、実家に妻とともに行くことになる。病床においてもホラ話を繰り返す父。ウィルはそんな父の真実の姿を探ろうとする。
感想:
ティム・バートンが親子愛を描くというのはチョッと想像できなかったのですが、杞憂に終わりました。毒は少なめですが、ティム・ワールド全開でかつ、心温まる映画です。あまり、映画を見て泣くほうではないのですが、ラストシーンは悲しくもないのに涙ぐんでしまいました。親子愛というよりは、おとぎ話や神話といったものへの愛情を強く感じます。
父親のホラ話がメインのこのお話ですが、奇妙なリアルさが同居し、後半は現実の描写が幻想であるかのような錯覚を覚えます。良き時代のアメリカと、どことなくフェリーニを思い起こさせるお祭り騒ぎ的な映像がうまく入り混じっています。フェリーニが自身の葬儀を演出すると、こんな感じになるのかなーと思いました。
映画でしか表現できない、個々人の持つ感情や思いというものが、映像からにじみ出ている良作だと思います。